売れると売るは違うっていう話

この歳になっても、まだまだ気づかされる事ってある。
物理的に「知識が増える」という事ではなく
「考え方が改まる」という点での「気づき」である。

忘れないうちに留めておきたくてブログに。

とある全国区の会社で働いていてトップセールスを叩き出す営業マンと打ち合わせした。
比べてわたしは北海道で10人規模の会社で働くチーフディレクターとかいうかっこつけの肩書きをぶら下げて毎日向き合っている。
そんなかっこつけの肩書きだけれど、わたしにはわたしの自信もあり、過去10年間同じ業界同じ職種で積み重ねてきた経験は周りに何を言われようともなんとも思わないぐらい強固な意志を紡いでいる事に間違えはない。

タイトルに据えた「売れると売るは違う」

これが全ての結論になるのだけれど、
先の営業マンが提案している商品についてわたしは
「これはお客さんが本当に欲しいと思うのか」という視点での意見を述べていた。

わたしの思考は「この商品は売れる商品なのか。売れる商品にするためにはこういうクオリティまで商品価値を持ち上げ、希望価格でどうやったら売れるのか」と考えていた。
しかし彼は「そういう視点って大事だよなあ。僕は基本お客さんが欲しいとか欲しくないとかじゃなくて、市場分母の2%でも売れればしっかり利益なるって考え方で、市場規模が全国何十万人という人が分母だと考えると売れない商品でも利益はあがるって考えが出ちゃうからなー」と言ったのだ。
(あくまでわたしがいる業界での話なので、この話がどんな職種にも当てはまるとは言いません)

この感覚。最初は受け入れ難いものがあった
「いやいや売れない商品を考えるのはしんどいんだけど(怒)」とくってかかった事もある。

でもその人としばらく話をしていて、自分の疑問点も感情論もいろいろぶつけて話し続けてみたら気づいた事がある

"この人、言ってる事に矛盾はない"

利益を追求する努力というのは、立たされている規模によって考え方が変わるという事を体で覚えた感じがした。
札幌市規模で、北海道規模で今まで仕事をしていたわたしは勝手に市場の分母とお客さんのお財布事情を把握し、ピンポイントで"売れる"商品を提案しようとしていて、
彼は札幌の規模であれ、全国の規模であれ考え方は一貫していて
"売る"ための手法と全体の皿の大きさを最初に見据えて話をしていた。

これからもあくまで"売れない商品"を作るつもりは毛頭ない。
けれど、売る人に、その人が考えるお皿の上で出来うる全力を注ぐだけで
売れない商品は売れる商品に変わる。

売れないと踏んだこの企画にわたしは全力で向き合ってみようと思う。
そういう意味では少なくとも彼の言葉が信頼に足る説得力に満ちているかどうかというのが鍵であり、営業とはそういうマルチなものの考え方が特殊スキルとして必要だと改めて感じたりした。

 

 

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